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国立大学法人東京農工大学
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テニュアトラック教員の紹介

金田 正弘 (Kaneda Masahiro)

研究院 農学研究院
部門 動物生命科学部門
研究分野 分子生物学、エピジェネティクス、発生生物学
キーワード ゲノムインプリンティング、DNAメチル化、がん
URL
職歴

・2003年10月~2005年03月:国立遺伝学研究所プロジェクト研究員
・2005年04月~2007年03月:英国ケンブリッジ大学ゴードン研究所客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)
・2007年04月~2007年09月:英国ケンブリッジ大学ゴードン研究所客員研究員(上原記念財団リサーチフェローシップ)
・2007年10月~2010年09月:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所研究員
・2007年10月~2012年09月:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 主任研究員
・2012年10月~現在:東京農工大学 農学研究院 テニュアトラック助教

学歴

・2000年03月:東京農工大学農学部獣医学科 卒業
・2003年09月:総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻 修了

受賞歴

・2005年2月:第21回井上研究奨励賞受賞

主な論文・解説

・Kaneda M., "Genomic imprinting in mammals—Epigenetic parental memories", Differentiation, 2011;82;51-56
・Yamanaka K., Kaneda M., Inaba Y., Saito K., Kubota K., Sakatani M., Sugimura S., Imai K., Watanabe S., and Takahashi M., "DNA methylation analysis on satellite I region in blastocysts obtained from somatic cell cloned cattle", Anim. Sci. J., 2011;82(4);523-530
・Kaneda M., Hirasawa R., Chiba H., Okano M., Li E., and Sasaki H., "Genetic evidence for Dnmt3a-dependent imprinting during oocyte growth obtained by conditional knockout with Zp3-Cre and complete exclusion of Dnmt3b by chimera formation", Genes to Cells, 2010;15(3);169-179
・Kaneda M., Tang F., O'Carroll D., Lao K., and Surani MA., "Essential role for Argonaute2 protein in mouse oogenesis", Epigenetics & Chromatin, 2009;2;9
・Hirasawa R., Chiba H., Kaneda M., Tajima S., Li E., Jaenisch R., and Sasaki H., "Maternal and zygotic Dnmt1 are necessary and sufficient for the maintenance of DNA methylation imprints during preimplantation development", Genes Dev., 2008;22;1607-1616
・Watanabe T., Totoki Y., Toyoda A., Kaneda M., Kuramochi-Miyagawa S., Obata Y., Chiba H., Kohara Y., Kono T., Nakano T., Surani MA., Sakaki Y., and Sasaki H., "Endogenous siRNAs from naturally formed dsRNAs regulate transcripts in mouse oocytes", Nature, 2008;453;539-543
・Kaneda M., and Sasaki H., "Genomic imprinting and X chromosome inactivation in germ cell development", Genetic and Epigenetic Control of Mammalian Germ Cell Development and Function, Research Signpost, 2008;37-56.
・Tang F.*, Kaneda M.*, O'Carroll D., Hajkova P., Barton SC., Sun AY, Lee C., Tarakhovsky A., Lao K., and Surani MA., "Maternal microRNAs are essential for mouse zygotic development", Genes Dev., 2007;21:644-648. (*:equally contributed authors)
・Kato Y., Kaneda M., Hata K., Kumaki K., Hisano M., Kohara Y., Okano M., Li E., Nozaki M., and Sasaki H., "Role of the Dnmt3 family in de novo methylation of imprinted and repetitive sequences during male germ cell development in the mouse", Hum. Mol. Genet., 2007;16;2272-2280
・Kaneda M., Okano M., Hata K., Sado T., Tsujimoto N., Li E., and Sasaki H., "Essential role for de novo DNA methyltransferase Dnmt3a in paternal and maternal imprinting", Nature, 2004;429:900-903

研究紹介

1996年に世界初の体細胞クローン羊・ドリーが生まれてから、マウス、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、その他様々な動物種でクローンが生まれました。クローン技術は、ドナーとなる動物の「コピー」を作る技術であり、様々な分野での応用が期待されています。しかしながら、その成功率は5-10%以下とまだまだ低く、また様々な発生異常が観察されているために、クローン動物由来の畜産物(牛肉や牛乳など)はいまだ食卓に上っていません。その異常の原因は、これまでの研究から「エピジェネティクス」と呼ばれる、DNA(遺伝子)自身ではなく、DNAの化学的な修飾に異常があるためであると考えられています。そこで私はエピジェネティクスをキーワードに、体細胞クローン牛の異常の原因やその解決方法を探るための研究を行っています。
クローンの研究は畜産物だけでなく、実験動物や再生医療にも繋がっていきます。山中教授のiPS細胞も、クローン技術なしには生まれませんでした。また、クローン技術を使えば、恐竜などの絶滅した生物を蘇らせることができるかも知れません。すでに、シベリアの永久凍土に保存されている「冷凍マンモス」の細胞を使った「マンモス復活プロジェクト」が日本を中心に行われています。まだまだ夢物語ですが、クローン技術には多くの可能性が秘められています。
また、最近ではヒトのがんでも、エピジェネティクスの異常が多数見つかっており、早期の診断・治療に利用されつつありますが、動物ではまだまだ研究が進んでいません。農工大には動物医療センターもありますので、イヌ・ネコのがんの研究も進めています。

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本学のテニュアトラック事業について

若手研究者に充分なスタートアップ資金と支援を行って頂ける点、またテニュア後の席が確保されているために、他教員との競争ではなく、あくまでも「自分」との競争になる点は高く評価したいと思います。また、研究に集中するため、講義や実習、各種委員会の負担をなるべく減らすシステムも非常にありがたいです。一方で、充分なスペースの確保をするのが難しい(学科によって事情が大分異なる)点、運営費交付金が2年間は支給されないので、テニュアトラック補助金のみでは用途に制限がある点など、改善すべき点もあるかと思います。

今後の抱負

まだまだ「クローン牛肉」「クローン牛乳」は消費者には受け入れられないと思います。発生異常や奇形が多い、と言われればそんなお肉を食べたい人はいないでしょう。しかし、優秀な肉質を持った和牛を沢山作ることができる、というクローン技術の利点は非常に大きいです。今後は研究を進めて、より美味しい肉をより安く提供できることを目指しています。
また、動物のがん研究に関しては、まだまだ始めたばかりですが、成果をなるべく早く社会に還元できるように日々精進しております。