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国立大学法人東京農工大学
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テニュアトラック教員の紹介

中澤 靖元 (Nakazawa Yasumoto)

研究院 工学研究院
部門 生命機能科学部門
研究分野 生体高分子材料,組織工学
キーワード 絹,NMR,人工血管 
URL
職歴

・2003年04月~2004年3月:東京農工大学ベンチャービジネスラボラトリー非常勤研究員
・2004年04月~2007年3月:日本学術振興会 特別研究員(PD)
・2007年4月~2007年5月:東京農工大学 産学官連携研究員
・2007年6月~2013年1月:東京農工大学 科学博物館 助教
・2013年2月~現在:東京農工大学 大学院工学研究院 准教授

学歴

・東京理科大学理学部第Ⅱ部化学科 1998年卒業
・東京農工大学大学院工学研究科生命工学専攻博士前期課程 2000年修了 
・東京農工大学大学院工学研究科生命工学専攻博士後期課程 2003年修了・学位取得

受賞歴

・日本核磁気共鳴学会 第41回NMR討論会 優秀若手ポスター賞(2002年)
・高分子学会 高分子研究奨励賞(2009年)

主な論文・解説

・Nakazawa, Y., Asakura, T., "High Resolution 13C CP/MAS NMR Study on Structure and Structural Transition of Antheraea pernyi Silk Fibroin containing Poly(L-alanine) and Gly rich Regions. ", Macromolecules 35, p.2393-2400 (2002)
・Nakazawa, Y., Asakura, T., "Structure determination of a peptide model of the repeated helical domain in Samia cynthia ricini silk fibroin before spinning by a combination of advanced solid-state NMR methods.", J. Am. Chem. Soc. 125, p.7230-7237 (2003)
・Asakura, T., Nakazawa, Y., Ohnishi, E., Moro, F., "Evidence from 13C solid-state NMR spectroscopy for a lamella structure in an alanine-glycine copolypeptide: a model for the crystalline domain of Bombyx mori silk fiber.", Protein Sci., 14, p.2654-2657(2005)
・Tetsuo Asakura, Yasumoto Nakazawa, "Structural Analysis of Silk Fibroins using NMR", Modern Magnetic Resonance Vol.1. Application in Chemistry (Edited by Graham A. Webb), Springer, pp.97-102 (2007)
・Nakazawa, Y., Suzuki, Y., Williamson, M. P., Saito, H., Asakura, T., "The interaction of amyloid Aβ(1-40) with lipid bilayers and ganglioside as studied by 31P solid-state NMR.", Chem. Phys. Lipids 158, p.54-60(2009)
・中澤靖元, 「固体NMR法を用いた絹フィブロインの精密構造解析および生体材料への展開」, 高分子論文集, 67, p.428-439 (2010)
・Yasumoto Nakazawa, Yu Suzuki, Hazime Saitô, and Tetsuo Asakura, "The Interaction of Aβ(1-40) Peptide with Lipid Bilayers and Ganglioside As Studied by Multinuclear Solid-State NMR", NMR Spectroscopy of Polymers: Innovative NMR Strategies for Complex Macromolecular Systems, ACS Symposium Series Vol.1077, Chapter 18, American Chemical Society, pp.299-316 (2011)
・Nakazawa, Y., Sato, M., Takahashi, R., Yamazaki, S., Takabayashi, C., Tamura, T., Enomoto, S., Sata, M., Asakura, T., "Development of Small-Diameter Vascular Grafts based on Silk Fibroin Fibers from B. mori for Vascular Regeneration.", J. Biomater. Sci. Polym. Ed. 22, p.195-206 (2011)
・Nakazawa, Y., Asano, A., Nakazawa, C., Tsukatani, T., Asakura, T., "Structural characterization of the silk-polyurethane composite material for the biomaterials using solid-state NMR", Polymer Journal, 44, p.802-807 (2012)

研究紹介

私はこれまで、絹を中心とした天然繊維化合物について、固体NMR法を主な解析手法とした研究を行ってきました。また、これらの構造情報をもとに絹小口径人工血管の開発に取り組んでいます。
 狭窄や閉塞した血管の治療として行われるバイパス手術において、内径6mm以上の中口径および大口径人工血管の場合、ポリエステル製およびePTFE製の人工血管が頻度高く用いられます。しかしながら、内径6mm以下の小口径人工血管では内膜の肥厚や血栓生成、炎症反応などが生じるため、医療現場において支障なく利用できる製品はありません。生体に優しく、生体になじみ、生体に適合する材料はまだできていないのが現状です。
 そこで本研究では、絹を素材とした小口径人工血管の開発に取り組んでいます。 絹は生体適合性や強度の高さから優れた生体医療材料として近年注目されています。また、溶液状態にすることで、フィルム、スポンジ、不織布等、様々に成形加工が可能なことから、人工血管のみならず、角膜、骨再生の足場材、創傷被覆材等への応用が研究されています。本研究で行っている人工血管は「組みひも」技術を応用したものであり、ラット腹部大動脈(内径1.5mm)への移植評価を行いました。その結果、移植一年後の開存率が85%(n=27)と、市販人工血管の材料であるPTFE製人工血管の一年後の開存率30%と比べて、極めて高い開存率を得ることができました。現在では、絹とポリウレタンを混合することで、絹の生体適合性を有しながら弾力性を持ち合わせた人工血管も作製しています。移植評価においては、血管内腔に血管内皮細胞や平滑筋細胞、コラーゲンの存在も確認でき、血管再生材料として期待できるものとなりました。 

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本学のテニュアトラック事業について

テニュアトラックの魅力は、独立した研究環境で研究に取り組める事です。潤沢な研究費とメンター教員のご支援により、自立性と活躍の機会を与えて頂いていることに大変感謝しています。私のテニュアトラック教員としての研究活動は始まったばかりですが、この環境の中で、存分に研究・教育活動に専念させて頂きたいと思います。
また今後、本制度の普及により、若手研究者にとっても良い目標ができると思います。

今後の抱負

これまでの経験を十分に活かすと共に、さらに生物学、材料工学、医学、分析科学、高分子化学など、様々な分野の知識と技術を取り入れ、またこれらを融合することで全く新しい再生医工学分野を開拓したいと考えております。関連分野において新たな潮流を産みだし、医療への貢献ができればと思います。また、大学教員としてこれらを教育に還元していきたいです。学生一人ひとりに学問や研究の楽しさを伝える大学の教育現場において、今後もこれまで私が経験してきた、新たな知識を得ることの感動を一人でも多くの学生に味わってほしいと思っています。