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国立大学法人東京農工大学
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テニュアトラック教員の紹介

山本 明保 (Yamamoto Akiyasu)

研究院 工学研究院(機構)
部門 先端物理工学部門
研究分野 超伝導材料、強磁場科学
キーワード
URL http://www.tuat.ac.jp/~yamamoto/
職歴

・2005年04月~2008年03月:日本学術振興会 特別研究員(DC1)
・2005年11月~2006年03月:米国Wisconsin大学Madison校 客員研究員
・2008年04月~2010年01月:日本学術振興会 海外特別研究員(米国立強磁場研究所 名誉博士研究員(兼任))
・2010年01月~2015年06月:東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 助教
・2011年10月~2015年03月:科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけ(「新物質科学と元素戦略」領域) さきがけ研究員(兼任)
・2015年07月~現在:東京農工大学 工学研究院(テニュアトラック推進機構)テニュアトラック特任准教授

学歴

・2003年03月:東京大学工学部応用化学科 卒業
・2005年03月:東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 修士課程修了
・2008年03月:東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 博士課程修了 博士(工学)

受賞歴

・2005年3月:東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 第1回藤嶋賞
・2005年9月:応用物理学会 講演奨励賞
・2014年5月:低温工学・超電導学会 奨励賞
・2017年4月:文部科学大臣表彰 若手科学者賞

主な論文・解説

・山本明保, アレクサンダー・グレビッチ, デビッド・ラバレスティエ, 下山淳一, 岸尾光二,"MgB2および鉄系超伝導体における結晶粒界と臨界特性",応用物理,第79巻1号,48-53頁 (2010).
・J. D. Weiss, A. Yamamoto, A. A. Polyanskii, R. B. Richardson, D. C. Larbalestier, and E. E. Hellstrom, "Demonstration of an iron-pnictide bulk superconducting magnet capable of trapping over 1 T", Superconductor Science & Technology - Fast Track Communication 28, 112001 1-6 (2015).
・A. G. Bhagurkar, A. Yamamoto, N. Hari Babu, J. H. Durrell, A. R. Dennis and D. A. Cardwell, "Synthesis of highly connected bulk MgB2 by infiltration and growth", Superconductor Science & Technology 28, 015012 1-6 (2015).
・A. Yamamoto, A. Ishihara, M. Tomita and K. Kishio, "Permanent magnet with MgB2 bulk superconductor", Applied Physics Letters 105, 032601 1-4 (2014).
・A. A. Polyanskii, F. Kametani, D. Abraimov, A. Gurevich, A. Yamamoto, I. Pallecchi, M. Putti, C. Zhuang, T. Tan, and X. X. Xi , "Roles of intrinsic anisotropy and band pairbreaking effects on critical currents in tilted-c-axis MgB2 films probed by magneto-optical and transport measurements", Physical Review B 90, 214509 1-12 (2014).
・A. Yamamoto, H. Tanaka, J. Shimoyama, H. Ogino, K. Kishio, and T. Matsushita, "Towards the realization of higher connectivity in MgB2 conductors - in-situ or sintered ex-situ?", Japanese Journal of Applied Physics 51, 010105 1-6 (2012).
・J. H. Durrell, C.B. Eom, A. Gurevich, E. E. Hellstrom, C. Tarantini, A. Yamamoto, and D. C. Larbalestier, "The behavior of grain boundaries in the Fe-based superconductors", Reports on Progress in Physics 74, 124511 1-23 (2011).
・S. Lee, J. Jiang, C. T. Nelson, C. W. Bark, J. D. Weiss, C. Tarantini, H. W. Jang, C. M. Folkman, S. H. Baek, A. Polyanskii, D. Abraimov, A. Yamamoto, Y. Zhang, X. Q. Pan, E. E. Hellstrom, D. C. Larbalestier, C. B. Eom, "Template engineering of Co-doped BaFe2As2 single-crystal thin films", Nature Materials 9, 397-402 (2010).
・A. Yamamoto, J. Jaroszynski, C. Tarantini, L. Balicas, J. Jiang, A. Gurevich, D. C. Larbalestier, R. Jin, A. S. Sefat, M. A. McGuire, B. C. Sales, D. K. Christen, D. Mandrus, "Small anisotropy, weak thermal fluctuation, and high field superconductivity in Co-doped iron pnictide Ba(Fe1-xCox)2As2", Applied Physics Letters 94, 062511 1-3 (2009).
・A. Yamamoto, A. A. Polyanskii, J. Jiang, F. Kametani, C. Tarantini, F. Hunte, J. Jaroszynski, E. E. Hellstrom, P. J. Lee, A. Gurevich, D. C. Larbalestier, Z. A. Ren, J. Yang, X. L. Dong, W. Lu, Z. X. Zhao, "Evidence for two distinct scales of current flow in polycrystalline Sm and Nd iron oxypnictides", Superconductor Science & Technology 21, 095008 1-11 (2008).

研究紹介

リニアモーターカーや医療用MRI診断などには強力な磁石が使われています。低温で電気抵抗がゼロになる超伝導現象を応用しています。ネオジム永久磁石の数倍、地磁気の数万倍もの磁力は、超伝導体を流れる臨界電流に由来します。より高い温度でつかえる高温超伝導体が研究されていますが、粒界(結晶と結晶のつなぎ目)で臨界電流が激減してしまうのが課題となっています。
我々は結晶サイズをナノ領域まで微細化したバルク(塊)状の新しいタイプの超伝導永久磁石を研究しています。これまでは人工的に結晶の向きをそろえ、粒界をなくす単結晶化が行われていましたが、あえて結晶の向きをそろえず、ナノ化した多結晶体に着目しました。ミクロでの究極のランダムは、マクロにみれば均一な秩序状態にあるという考えです。唐辛子も丸ごとは辛くて食べられませんが、細かく刻んでいれればスパイスが効いて料理がおいしくなります。
今世紀に日本で発見され、鉄やマグネシウム等のありふれた元素から作れる新しい高温超伝導体(鉄系、MgB2など)をモデル材料にしています。結晶自身が持つエネルギーを極小化しようとするはたらきを応用することで、ナノ粒界が強くつながった構造を実現し、高い臨界電流が得られるか検討しています。国内外グループとの共同研究を通じて、3センチメートル程度の円盤型の小型磁石を試作したところ、冷凍機で冷やせばネオジム磁石の3倍以上の磁力を持つことがわかりました。
磁性元素と不可分な強磁性永久磁石とくらべて、「巨視的量子効果」で磁力をつくる超伝導永久磁石は、元素選択や物質設計の幅が大きく広がります。よりよい材料の開発が進めば、今後みなさんの身近なところでも超伝導がつかわれる時代がやってくるかもしれません。

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本学のテニュアトラック事業について

若手研究者の自立を涵養する良制度であると思います。
学科を縦の糸とすれば、テニュアトラックは横の糸といえるでしょう。
専門分野を超えた異分野研究者とのつながりの中から、学際的・国際的な研究を織りなす環境も提供していると思います。

今後の抱負

材料物性研究の醍醐味の1つは、予想もできないような発見との出会いです。
これを社会に役立つよう、大切にして改良を重ねていくのがエンジニアリングです。
磁力のように人を惹き付ける革新的材料を見つけ、育てていくことを目標にしています。