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国立大学法人東京農工大学
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テニュアトラック教員の紹介

浅野 竜太郎 (Asano Ryutaro)

研究院 工学研究院
部門 生命機能科学部門
研究分野 応用生物工学
キーワード タンパク質工学、抗体工学、二重特異性抗体
URL http://www.tuat.ac.jp/~tanpaku/index.html
職歴

・2000年04月~2002年11月:東北大学加齢医学研究所附属医用細胞資源センター 助手
・2002年12月~2007年03月:東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻 助手
・2003年02月~2005年03月:東北大学加齢医学研究所附属医用細胞資源センター 助手(兼任)
・2007年04月~2010年12月:東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻 助教
・2011年01月~2015年08月:東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻 准教授
・2015年09月~現在:東京農工大学大学院工学研究院 准教授

学歴

・1999年03月:東北大学工学部生物化学工学科 卒業
・2000年03月:東北大学大学院工学研究科生物工学専攻博士課程前期課程 中途退学
・2006年12月:東北大学大学院工学研究科 博士(工学) 取得

受賞歴

・2009年03月:財団法人トーキン科学技術振興財団 第19回トーキン科学技術振興財団 研究奨励賞
・2010年01月:財団法人青葉工学振興会 第15回青葉工学研究奨励賞
・2011年05月:財団法人インテリジェント・コスモス学術振興財団 第10回インテリジェント・コスモス奨励賞
・2011年07月:日本生化学会東北支部 平成23年度日本生化学会東北支部優秀論文賞
・2011年09月:第84回日本生化学会大会 鈴木紘一メモリアル賞
・2014年05月:日本生化学会東北支部 平成26年度日本生化学会東北支部奨励賞

主な論文・解説

・Asano R., Sone Y., Makabe K., Tsumoto K., Hayashi H., Katayose Y., Unno M., Kudo T., Kumagai I., Humanization of the Bispecific Epidermal Growth Factor Receptor x CD3 Diabody and Its Efficacy as a Potential Clinical Reagent. Clin. Cancer Res., 12(13), 4036-4042 (2006)
・Asano R., Watanabe Y., Kawaguchi H., Fukazawa H., Nakanishi T., Umetsu M., Hayashi H., Katayose Y., Unno M., Kudo T., Kumagai I., Highly Effective Recombinant Format of a Humanized IgG-like Bispecific Antibody for Cancer Immunotherapy with Retargeting of Lymphocytes to Tumor Cells. J. Biol. Chem., 282(38), 27659-27665 (2007)
・Asano R., Ikoma K., Sone Y., Kawaguchi H., Taki S., Hayashi H., Nakanishi T., Umetsu M., Katayose Y., Unno M., Kudo T., Kumagai I., Highly Enhanced Cytotoxicity of a Dimeric Bispecific Diabody, the hEx3 Tetrabody. J. Biol. Chem., 285(27), 20844-20849 (2010)
・Asano R., Ikoma K., Shimomura I., Taki S., Nakanishi T., Umetsu M., Kumagai I., Cytotoxic Enhancement of a Bispecific Diabody by Format Conversion to Tandem Single-chain Variable Fragment (taFv) THE CASE OF THE hEx3 DIABODY. J. Biol. Chem., 286(3), 1812-1818 (2011)
・Asano R., Shimomura I., Konno S., Ito A., Masakari Y., Orimo R., Taki S., Arai K., Ogata H., Okada M., Furumoto S., Onitsuka M., Omasa T., Hayashi H., Katayose Y., Unno M., Kudo T., Umetsu M., Kumagai I., Rearranging the domain order of a diabody-based IgG-like bispecific antibody enhances its antitumor activity and improves its degradation resistance and pharmacokinetics. MAbs, 6(5), 1243-1254 (2014)

研究紹介

生体内の免疫に関与している抗体分子は、副作用の少ないタンパク質製剤としても利用されていますが、薬価の高さが大きな問題となっています。また従来型のIgG抗体では治療効果が限界との見方もあります。私は、一貫してがん治療を目指した組換えタンパク質、特に世界的な潮流ともなっている人工抗体医薬の開発研究に従事し、中でもがん細胞とリンパ球間の強制的な架橋により特異的な抗腫瘍効果を発揮する低分子型の二重特異性抗体の開発に注力してきました。その過程で、がん関連抗原であるヒト上皮増殖因子受容体(EGFR)とTリンパ球上のCD3分子を標的としたEx3と名付けた分子が極めて効果的であることを見出し、さらにこのEx3の多角的な視点に基づく高機能化設計と精密機能解析を進めてきました。主に、①ヒトFc領域の融合、②多量体化、③構造形態の改変、④高親和性化の観点から高機能化を進めてきましたが、それぞれ薬効の向上が認められ、また組み合わせによりさらに機能が向上することが示されました。近年、興味深いことに同一の構造形態であっても抗体ドメインの配向性を改変するだけで活性が著しく向上することを明らかにしました。実用化に向けては、効率的な製造プロセスの開発が残されていますが、発現微生物の検討や、精製を容易とする分子改変も視野に入れて進めていきたいと思っています。一方で、さらに魅力的な人工抗体の構造デザインや、実用的な人工抗体医薬の創製プラットフォームの開発、さらには培った組換えタンパク質の設計、および調製技術を分析・バイオセンシングを目指した生体分子の開発にも活かしていきたいと考えています。

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本学のテニュアトラック事業について

十分な研究スペースと潤沢なスタートアップ資金、さらには事務支援が充実しているため、機器の移設や研究環境の整備、各種事務処理などがストレスなく進みました。特に初めて研究室を主宰する研究者にとっては極めて良い制度だと思います。テニュアトラック教員全員分のポストが用意されているため、同じ立場の研究者同士がポストを得るための競争ではなく、手を取り合い切磋琢磨して研究が発展していくことが期待されます。定期的に交流の場があるため農工の分野横断型の共同研究の推進も期待されます。

今後の抱負

工学部は、ものづくりの学部で、産業的に役立つものを生み出すことが一つの使命であるといえます。私もこれまでタンパク質工学駆使したバイオ医薬品、特に人工抗体医薬の完成を夢見て研究に携わってきましたが、研究を行えば行うほど、アカデミア発のバイオ医薬品の開発の難しさを痛感させられました。現在、縁がありバイオセンサーの開発を進めている研究室に籍を置いております。夢は夢として追いつつも、タンパク質を工学して製品化を目指すという方向性は同じであるため、様々な角度から実用化を目指した分子を創製していきたいと思っています。