お問い合わせはこちらから

国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課

TEL 042-367-5944
FAX 042-367-5898

本事業は文部科学省科学技術人材育成費補助金の「テニュアトラック普及・定着事業」の補助を受けて実施しています。

メールでのお問い合わせはこちら

トップページ > テニュアトラック教員の紹介 > 大橋 秀伯

テニュアトラック教員の紹介

大橋 秀伯 (Ohashi Hidenori)

研究院 工学研究院(機構)
部門 応用化学部門
研究分野 化学工学・移動物性・材料設計
キーワード タンパク質連続生産システム・燃料電池・高分子系中の分子拡散
URL (作成中)
職歴

・2008年4月~2010年3月: 東京工業大学 資源化学研究所 特任助教
・2010年4月~2016年2月: 東京工業大学 資源化学研究所 助教
・2016年3月~現在: 東京農工大学 工学研究院(テニュアトラック推進機構)テニュアトラック特任准教授

学歴

・2003年: 東京大学 工学部 化学システム工学科 卒業
・2005年: 東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻 修士課程修了
・2008年: 東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻 工学博士取得

受賞歴

・2005年8月: International Congress on Membranes and Membrane Processes 2005, Student Award.
・2006年10月: 4th COE 21 International Symposium on Human-Friendly Materials Based on Chemistry Frontier of Human-Friendly Materials and Processes for Sustainable Society, Poster Award.
・2010年9月: Journal of Chemical Engineering Japan, Outstanding Paper Award of 2009.
・2014年5月: 日本膜学会 第36年会, 膜学研究奨励賞

主な論文・解説

・Hidenori Ohashi, Xueqin Chi, Hidenori Kuroki, and Takeo Yamaguchi, "Response Sensitivity of a Gating Membrane Related to Grafted Polymer Characteristics", Industrial and Engineering Chemistry Research, 55(6), 1575-1581 (2016).
・Hidenori Ohashi, Sae Ebina, and Takeo Yamaguchi, "Logistic Gate-Like Permeable Property of Gating Membrane with Ion-Recognition Polyampholyte",
Polymer, 55(6), 1412-1419 (2014).
・Hyangmi Jung, Hidenori Ohashi, Gopinathan M. Anilkumar, Peilin Zhang, and Takeo Yamaguchi, "Zn2+ Substitution Effects in Layered Double Hydroxide (Mg(1-X)Znx)2Al: Textural Properties, Water Content and Ionic Conductivity", Journal of Materials Chemistry A, 1(42), 13348-13356 (2013).
・Zhang Han, Hidenori Ohashi, Takanori Tamaki, and Takeo Yamaguchi, "Water Movement in a Solid-State Alkaline Fuel Cell Affected by the Anion-Exchange Pore-Filling Membrane Properties", The Journal of Physical Chemistry C, 117(33), 16791-16801 (2013).
・Hidenori Ohashi, Tomoaki Abe, Takanori Tamaki, and Takeo Yamaguchi, "Influence of Spacer Length between Actuator and Sensor on their Mutual Communications in Poly(N-Isopropylacrylame-co-β-Cyclodextrin), an Autonomous Coordinative Shrinking/Swelling Polymer", Macromolecules, 45(24), 9742-9750 (2012).
・Hidenori Ohashi, Takanori Tamaki, and Takeo Yamaguchi, "Physical Reexamination of Parameters on a Molecular Collisions-based Diffusion Model for Diffusivity Prediction in Polymers", The Journal of Physical Chemistry B, 115(51), 15181-15187 (2011).
・Hidenori Ohashi, Taichi Ito, Takeo Yamaguchi, "A New Free Volume Theory Based on Microscopic Concept of Molecular Collisions for Penetrant Self-Diffusivity in Polymers", Journal of Chemical Engineering of Japan, 42(2), 86–94 (2009).

研究紹介

我々の住む世界は、熱力学第一・第二法則だけで記述される平衡な世界ではなく、物質やエネルギーの移動が絶え間なく起こる非平衡な世界です。このため世界を理解して、そこからエネルギーや有用物質を取り出す際には非平衡物性(移動物性)の知識が欠かせません。ですが、平衡や反応の知識に比べて、移動物性の理解は遅れていて、それが技術発展の一つの大きなネックになっています。
 拡散律速という言葉があるように、化学の関わるシステムやデバイスの性能は得てして物質移動により損なわれてしまいますが、逆を返せば移動物性に対する理解を深めることでこれを解決・軽減し、性能を引き出すことが可能です。最初にデバイスの中で物質移動が関わる現象を理解し、拡散律速がかかっている場合に、それを解消する手段を模索する(より拡散の速い系・構造を探す)方法論により、合理的な設計が可能になります。
 この設計手法により、今後需要の見込まれるタンパク質の連続生産システム、先進的な燃料電池、エネルギー媒体の一つである水蒸気を分離回収するデバイス等々、エネルギー分野・ライフサイエンス分野の有用なデバイスの設計を行うことで、社会への貢献を図ります。
 さらに、これらのデバイスの効率的な設計を行うためには、未知の系における分子拡散性を予測する手段が必要になります。拡散性の取得方法の開発から、拡散性の理論予測モデルの構築までを手掛けることで、(特に高分子系において)研究者が必要とする拡散性を容易に探索できるプラットフォームを整えたいと考えています。

本学のテニュアトラック事業について

自らの研究を遂行することと、学生さんを自分のマインドで育てていくことは、大学研究者を目指す人の2つの大きな目標である一方で、この両輪を上手に回すためには充分な経験が求められます。東京農工大学のテニュアトラック事業は、授業負担の一部軽減や事務処理支援・メンター教員の配置などによってこれに集中し、習熟するための機会が提供されています。また多くの同世代・異分野・新進気鋭のテニュアトラックの先生方と触れ合う機会が多いことも本学の制度の大きな魅力で、異分野の理解の深化により、自らの研究分野のみでは生まれない学際的且つ挑戦的な共同研究が展開できるものと、今からとても期待しております。

今後の抱負

研究に関しては研究紹介の通り、教育面では「人は今までに経験のない概念に触れる時に大きく成長できる」という考え方に基づいた教育を目指します。それは例えば4年生や修士生にとっては答えのない問題にアプローチする方法論≒研究であり、故に3年間という短い期間でも、答えを自ら探究させる研究指導により大きな成長を促します。これに加え私は、人を育てることのできる人をこそ育てたい。自らが積み重ねた経験のエッセンスを他人に伝えられる人材を育て、それを次々に次世代に受け継いでいく指数発展的な形を確立することによって、いずれ一人では到底到達できない研究成果にも到達でき、世界の科学技術に貢献できるものと考えています。