国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
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本事業は文部科学省科学技術人材育成費補助金の「テニュアトラック普及・定着事業」の補助を受けて実施しています。
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張 亜 (Zhang Ya)
研究院 | 工学研究院 |
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部門 | 先端電気電子部門 |
研究分野 | ナノエレクトロニクス、テラヘルツ技術 |
キーワード | テラヘルツ 単電子トランジスタ MEMS・NEMS |
URL | http://web.tuat.ac.jp/~zhang |
職歴 | ・2008年08月~2011年07月: 北京東方計量測試研究所 リサーチエンジニア |
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学歴 | ・2006年7月:清華大学 機械工学部 精密機器工学専攻卒業 |
受賞歴 | ・2017年9月:14th International Conference on Intersubband Transitions in Quantum Wells (ITQW2017)、 Best Poster Award |
主な論文・解説 | ・S Du, K Yoshida, Y Zhang, I Hamada, K Hirakawa, Nature Photonics, 2018. |
波長約100ミクロン程度のテラヘルツ(THz)電磁波は、固体中の電子や様々な分子と相互作用するため、化学、薬学、セキュリティなどのさまざまな分野への応用が期待されています。また半導体材料・デバイスの分野でも、THz電磁波の光子エネルギーや時間スケールは、半導体中の典型的なそれと整合するため、半導体構造中の電子状態やダイナミクスに関する貴重な情報を与えてくれます。
当研究室は、テラヘルツ周波数帯の半導体デバイスと半導体物性に焦点を当てて研究を行っております。具体的に、2つの研究テーマを取り込んでおります。
1.THz電磁波を用いたナノ領域の電子状態の探測
当該研究では、ナノスケールの微細なギャップを持つ金属電極を作製してトランジスタ構造とし、その電極をアンテナとして用いることにより、単一ナノ量子系に対してTHz分光を可能にする技術を開発しました。我々は量子ドット、単一分子等の量子ナノ構造キャリアダイナミクスを詳しく研究し、それにより様々な新しい物理現象を発現します。
2. MEMS構造を用いた室温動作・高感度テラへルツボロメータの開発
THz技術の普及には、コンパクトで簡便なTHz発振器と検出器の開発が強く望まれています。当該研究は、室温動作で高感度のポロメータを実現するために、室温でもQ値が高いMEMS共振器構造を用いることを提案し、研究を行っていました。THz電磁波の入射による微小な温度上昇をMEMSの共振周波数のシフトとして読み出します。このように室温動作で高感度のTHzポロメータが開発できました。
東京農工大学のテニュアトラック事業は、若手研究者に対し、自らが研究室の運営をコントロールする機会を提供するとともに、シニア教員の指導、潤沢なスタートアップ資金及び事務処理支援等の一連の措置を採用しているため、研究者が速やかに研究を推進することができます。
マイクロナノ世界の物理を探索することが私の大学時代からの希望ですが、東京農工大学はこの希望を実現するプラットフォームを提供してくれました。本学の教育・研究環境にいち早く溶け込み、自らの研究を深く進めるとともに、教育に関して、問題解決能力、自己表現、国際的視野などの素質を有する学生さんを育てていきたいと思います。