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国立大学法人東京農工大学
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本事業は文部科学省科学技術人材育成費補助金の「テニュアトラック普及・定着事業」の補助を受けて実施しています。

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テニュアトラック教員の紹介

兼橋 真二 (Kanehashi Shinji)

研究院 工学研究院
部門 応用化学部門
研究分野 高分子機能材料
キーワード 機能材料、物質移動、環境科学、バイオマス科学
URL https://sites.google.com/view/kanehashi-lab
職歴

・2006年04月~2009年03月:株式会社クラレ 新事業開発本部 研究開発員
・2009年04月~2012年03月:明治大学理工学部 専任助手
・2012年04月~2014年08月:日本学術振興会 特別研究員PD
・2012年11月~2014年08月:豪州メルボルン大学 訪問研究員
・2014年09月~2015年08月:豪州メルボルン大学 博士研究員
・2015年09月~2019年02月:東京農工大学大学院工学府 応用化学専攻 特任助教
・2019年03月~2020年10月:東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門 助教
・2020年11月~現在:東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門 テニュアトラック准教授

学歴

・2004年03月:明治大学理工学部工業化学科卒業
・2006年03月:明治大学大学院理工学研究科工業化学専攻 博士前期課程修了
・2012年03月:明治大学大学院理工学研究科応用化学専攻 博士後期課程修了 博士(工学)

受賞歴

・2019年10月:東京農工大学学長賞
・2019年05月:日本膜学会膜学研究奨励賞
・2018年06月:新化学技術推進協会 第17回GSC賞 奨励賞
・2017年06月:繊維学会 繊維学会奨励賞
・2017年05月:高分子学会 高分子研究奨励賞

主な論文・解説

・N Yanagishima, S Kanehashi, H Saito, K Ogino, T Shimomura, Polymer, 206, 122912 (2020)
・J Morita, T Goto, S Kanehashi, T Shimomura, Polymers, 12, 2658 (2020)
・T Goto, J Morita, Y Maekawa, S Kanehashi, T Shimomura, Polymers, 12, 2118 (2020)
・S Sato, J Yamauchi, Y Takahashi, S Kanehashi, K Nagai, Industrial & Engineering Chemistry Research, 59, 12590-12599 (2020)
・H Shimomoto, T Moriya, T Mori, T Itoh, S Kanehashi, K Ogino, E Ihara ACS omega, 5, 4787-4797 (2020)
・S Kikuchi, R Shoji, S Yoshida, S Kanehashi, GH Ma, K Ogino Colloid and Polymer Science, 298, 251-261 (2020)
・S Kanehashi, CA Scholes, Front. Chem. Sci. Eng., 14, 460-469 (2020)
・H Nishino, C Liu, S Kanehashi, K Mayumi, Y Tominaga, T Shimomura, Kohzo ito, Ionics, 26, 255-261 (2020)
・兼橋真二, 生分解, バイオマスプラスチックの開発と応用, 技術情報協会, 第11節, 318-326 (2020)
・兼橋真二, バイオインダストリー, 2020年2月号

研究紹介

世界的に深刻化する地球温暖化や廃棄プラスチックが引き起こすマイクロプラスチック汚染などの環境問題に対し、石油資源から再生可能資源への転換、脱炭素社会の構築が重要です。2020年、わが国でも2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする方針を表明し、また2019年環境省のプラスチック資源循環戦略においても2030年までにリサイクルの徹底的な推進だけでなく、再生可能資源由来のバイオマスプラスチックを200万トン導入することがマイルストンとしています。これら地球規模で進行する環境問題に対し、本研究では未利用な廃棄資源の有効利活用を目的としたバイオマスプラスチック、グリーンプラスチックの研究開発に取り組み、特に資源発生国との協同展開、社会実装を目指していきます。この国際展開による未利用資源の有効利活用を通じ、新興国との国際共同研究・人材交流で教育・科学技術支援(ODA)にも貢献していきたいと思います。
 もうひとつの研究として、抜本的な温暖化対策として期待される二酸化炭素回収・貯留・有効利用プロセス(CCUS)における温室効果ガス分離材料の研究開発、CO2が発生しないクリーンエネルギーである水素の精製、天然ガス精製、バイオマス発酵により得られるバイオガスの濃縮を可能とする機能材料の研究開発にも精力的に取り組みます。
未利用資源の有効利用、温室効果ガスの回収、クリーンエネルギーの利用、新興国との交流を通じた科学技術支援によるSDGsの達成、持続可能社会の構築、そしてサーキュラーエコノミーの実現に向け、環境に役立つ新規な革新的マテリアルの創出に取り組んでいきます。

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本学のテニュアトラック事業について

本学のテニュアトラック制度では、5年間という限られた期間の中で一定以上の研究成果を出し、一方で教育業務、大学運営を効率的に行う必要があります。本テニュアトラック事業では、研究室立ち上げに必要なスタートアップ資金が配分されるだけでなく、大学や所属専攻の教職員からのサポート、さらにメンター教員制度により、効率的に教育・研究活動運営に対し適切なアドバイスを受けることができます。また同じテニュアトラック教員どうしの定期的な交流の機会も設定され、研究領域を超えた交流と融合研究の可能性にも力を入れています。

今後の抱負

教育面において、学生自身が自分で考え、判断でき、主体的に行動できる自信、国際交流を通した国際感覚、社会との交流を通した社会感覚を習得できる教育を目指します。研究面において、物事の本質のさらなる追究や大局的な見方を常に意識しながら研究活動に取り組んでいきます。これまでの経済活動の結果が次の世代への責任とならないよう、持続的な社会を意識した取り組みが大切です。地球規模で進行する環境問題の解決に向け、ものづくりからそのシステム構築を通した日本の基礎科学技術の発展とサーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。