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国立大学法人東京農工大学
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テニュア取得教員の紹介

永岡 謙太郎 (Nagaoka Kentaro)

研究院 農学研究院
部門 動物生命科学部門
研究分野 獣医生理学
キーワード 生殖内分泌 細胞生理学 ストレス 乳房炎
URL http://web.tuat.ac.jp/~nvetphys/index.html
職歴

・2000年4月-2003年3月:日本学術振興会特別研究員DC1
・2003年4月-2004年5月:協和発酵工業株式会社医薬カンパニー安全性研究所
・2004年6月-2007年3月:東京大学大学院農学生命科学研究科助手
・2007年4月-2011年2月:東京大学大学院農学生命科学研究科助教
・2009年4月-2011年2月:マサチューセッツ州立大客員研究員
・2009年4月-2011年2月:日本学術振興会海外特別研究員
・2011年3月-2014年2月:東京農工大学大学院農学研究院 助教
・2014年3月-現在:東京農工大学大学院農学研究院 准教授(テニュア取得)

学歴

・1992年3月:茨城県立水戸第一高等学校卒業
・1999年3月:東京農工大学農学部獣医学科卒業
・2003年3月:東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了(獣医学)

受賞歴

・2007年:50周年記念森永奉仕会賞

主な論文・解説

・Nagaoka K, Udagawa T, Richter JD. CPEB-mediated ZO-1mRNA localization is required for epithelial tight-junction assembly and cell polarity. Nature Communications 3, 675, doi:10.1038/ncomms1678, 2012
・Nagaoka K, Aoki F, Hayashi M, Muroi Y, Sakurai T, Itoh K, Ikawa M, Okabe M, Imakawa K, Sakai S. L-amino acid oxidase plays a crucial role in host defense in the mammary glands. FASEB Journal. 23, 2514-2520, 2009
・Tanaka T, Imakawa K, Sakai S, Nagaoka K. MiR-101a controls cell proliferation by regulating cyclooxygenase-2 during mammary gland development. Differentiation. 77, 181-187, 2009
・Sakai S, Nonobe E, Satow T, Imakawa K, Nagaoka K. Production of hydrogen peroxide by a small molecular mass compound in milk from Holstein cows with high and low milk somatic cell count. Journal of Dairy Research. 75, 335-339, 2008
・Sakai S, Satow T, Imakawa K, Nagaoka K. Generation of hydrogen peroxide by a low molecular weight compound in whey of Holstein dairy cows. Journal of Dairy Research. 75, 257-261, 2008
・Nagaoka K, Tanaka T, Imakawa K, Sakai S. Involvement of RNA binding proteins AUF1 in mammary gland differentiation. Experimental Cell Research. 313, 2937-2945, 2007
・Nagaoka K, Suzuki T, Kawano T, Imakawa K, Sakai S. Stability of casein mRNA in ensured by structural interactions between the 3’-untranslated region and poly(A) tail via the HuR and poly(A)-binding protein complex. Biochimica et Biophysica Acta 1759, 132-140, 2006

研究紹介

昨今の著しい経済発展と人口増加により、近い将来、世界規模で食料不足に陥ることが危惧されています。私は、生殖生理学に関する研究を通して、効率良い食料増産法の開発に寄与する事を目指しています。現在、特に注目しているのは”乳腺組織”です。乳腺は胎盤と並び(もっと言えば脳も!?)、哺乳動物が子を少なく生み、確実に育てる繁殖戦略を遂行するために高度に発達させてきた器官です。乳腺は、妊娠と泌乳期間を通じて、細胞活動の基本変化である増殖、分化および細胞死を繰り返しますが、その遺伝子発現は非常に精密にコントロールされています。乳腺組織を研究する利点は、これら細胞活動をIn vitroおよびIn vivo両方で簡便に観察できる事です。これまでに、乳腺組織内ではmRNAの安定化やタンパクへの翻訳調節、またmiRNAといったノンコーディングRNAが遺伝子発現調節に関わっている事を明らかにしてきました。泌乳中の乳腺は、通常の生体内ではあり得ない量のタンパク質合成が可能となる事から、その仕組みを詳細に解明する事でバイオテクノロジーを利用した食料増産や乳腺に有用タンパク質を作らせる動物工場の開発などにつなげて行きたいと考えています。また、「乳牛の職業病」である乳房炎を撲滅すべく、乳房炎抵抗性ウシ作出に向けた研究も行っています。LAOという遊離アミノ酸を分解して過酸化水素を産生する酵素がマウスのミルク中に多く存在し、そのノックアウトマウスは乳腺への感染性が惰弱であることを明らかにしてきました。まだ確証は得られていませんが、ウシの乳腺ではLAOの発現量が低い結果が出ています。LAOはアミノ酸を利用する事から、乳量増加の選抜圧において無駄な遺伝子と判定されてしまったのかもしれません。再びLAOの発現量を高める事ができれば、乳房炎抵抗性ウシの作出が可能になると信じて研究を行っています。

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本学のテニュアトラック事業について

前回の「若手研究者の自立的研究環境整備促進事業」の大成功から、大学独自でもテニュアトラック制度を継続することは、若手研究者にとって非常にありがたい事かと思います。ただ、すべての教員をテニュアトラック制度で採用し、テニュアを取るためには論文何報、学会何回、外部資金獲得云々とすべて始めから決めてしまうのは少し疑問を感じました。論文や研究の価値をどう判断するかは難しい問題であることは承知しておりますが、あまり数値化しない方が良いのではないかと思います。一歩間違うと、貴重なテニュア獲得までの時間が「作業時間」になることが危惧されます。我々には魅力的な高いテニュア獲得率との諸刃の刃と言ったところでしょうか。。。また、テニュア獲得後は、直ちに教育業務を開始する立場になる事から、テニュアトラック制度中であっても教育に関するトレーニングが必要であると感じています。

今後の抱負

貴重な時間を有意義に使いたいと思います。求められた結果を残す事はテニュア獲得に必要ですが、次の5年、10年に繋がる研究の種まきも忘れずに行いたいと思います。何とかしてアカデミックの世界で戦う基礎研究と産業に貢献できる応用研究のダブルスタンダードを培い、魅力ある研究室作りに励みたいと思います。