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国立大学法人東京農工大学
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テニュア取得教員の紹介

半 智史 (Nakaba Satoshi)

研究院 農学研究院
部門 環境資源物質科学部門
研究分野 環境資源物質科学
キーワード 樹木生理学、細胞生物学、木材解剖学
URL http://web.tuat.ac.jp/~tokusei/index.html
職歴

・2007年4月~2009年3月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
・2009年4月~2009年6月 東京農工大学農学府・農学部 科研費等研究支援研究員
・2009年7月~2011年3月 東京農工大学農学府・農学部 特別研究員
・2011年4月~2011年11月 東京農工大学農学府・農学部 産学官連携研究員
・2011年12月~2016年11月 東京農工大学大学院農学研究院 助教(テニュアトラック)
・2016年12月~現在 東京農工大学大学院農学研究院 准教授(テニュア取得)

学歴

・2004年3月 北海道大学農学部森林科学科卒業
・2006年3月 東京農工大学 大学院農学教育部 環境資源物質科学専攻 修士課程修了
・2009年3月 東京農工大学 大学院連合農学研究科 資源・環境学専攻 博士課程修了(博士(農学)取得)

受賞歴

・第26回日本木材学会奨励賞(2015)

主な論文・解説

・Nakaba S, Sano Y, Kubo T, Funada R “The positional distribution of cell death of ray parenchyma cells in a conifer, Abies sachalinensis” Plant Cell Reports, 25, 1143-1148 (2006).
・Nakaba S, Kubo T, Funada R “Nuclear DNA fragmentation during cell death of short-lived ray tracheids in the conifer Pinus densiflora” Journal of Plant Research, 124, 379-384 (2011).
・Nakaba S, Yamagishi Y, Sano Y, Funada R “Temporally and spatially controlled death of parenchyma cells is involved in heartwood formation in pith regions of branches of Robinia pseudoacacia var. inermis” Journal of Wood Science 58, 69-76 (2012).
・Nakaba S, Takata N, Yoshida M, Funada R “Continuous expression of genes for xylem cysteine peptidases in long-lived ray parenchyma cells in Populus” Plant Biotechnology 32, 21-29 (2015).
・Nakaba S, Arakawa I, Morimoto H, Bito N, Imai T, Nakada R, Funada R “Agatharesinol biosynthesis-related changes of ray parenchyma in sapwood sticks of Cryptomeria japonica during cell death” Planta 243, 1225-1236 (2016).

研究紹介

現在、地球温暖化や資源、エネルギー問題が地球規模の問題になっており、それらの課題の解決策を模索する中で、再生可能な資源としての木質バイオマスへの関心が高まっています。木質バイオマスは、樹木が光合成により大気中の炭素を固定した結果として生み出されます。生物由来の資源であるため、その特性は生命活動により制御されており、遺伝的要因や気象要因などにより量(樹木の成長量)や質(組織構造および材料特性)が変動します。このような特徴は、木質バイオマスの量や質が制御可能であることを示しています。したがって、どのようなメカニズムにより木質バイオマスが形成されるのかを理解することは、利用上の特性に関する基本的情報の提供やオーダーメイド木質バイオマスの創出を含めた高度利用につながります。

では、木質バイオマスの形成機構を理解するためには、どのような研究を行う必要があるのでしょうか。木質バイオマスは、樹木が生産する細胞の集合体であることから、構成要素である細胞の性質が木質バイオマス全体の性質を決定しているといえます。したがって、木質バイオマスの形成機構を知ることは、木質バイオマスを構成する細胞が、どのように生み出され(細胞分裂)、どのような過程を経て機能を発揮するのか(細胞分化)を理解することであると言い換えることができます。そこで私は、「樹木における細胞分化制御機構」に着目し、様々な顕微鏡を用いたイメージング解析、遺伝子発現解析および植物組織培養などの手法を駆使して、樹木がどのような機構で多様な組織構造および材料特性をもつ木質バイオマスを生み出すのかを明らかにすることを目指し研究を行っています。

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本学のテニュアトラック事業について

本学のテニュアトラック制度においては採用時にテニュア取得可能なポストが準備されていることに大きな特色であると感じました。採用される側から見ると、他人との競争ではなく己との戦いになるということで、業績も求められ厳しい面もありますが、努力すれば報われるということです。この特色が存在することで、次々と業績を出していくことだけに心を奪われてしまうのではなく、すぐには結果が得られないかもしれないが非常に重要な研究への挑戦を可能にしていると考えています。このチャンスを存分に活かしていきたいと思います。

今後の抱負

資源、環境の重要性が高まっている現在、再生可能な資源である木質バイオマスをいかにしてより有効利用するのかは今後も取り組むべき重要な課題の一つであると考えられます。このような状況において、私は木質バイオマスのポテンシャルを最大限に引き出すことにつながるような研究を進めていきたいと思います。また、環境資源科学科での教育に携わる人間として、種々の環境問題に対し、自然科学の視点から問題を解決する能力を身につけた人材の育成に尽力していきたいと考えています。