国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
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杉原 創 (Sugihara Soh)
研究院 | 農学研究院 |
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部門 | 生物生産科学部門 |
研究分野 | 土壌学・環境農学 |
キーワード | 物質循環・土地資源管理・自然と人間の共生 |
URL | https://sites.google.com/site/sugihara0901/ |
職歴 | ・2008年4月~2010年3月:日本学術振興会 特別研究員(DC2) |
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学歴 | ・2004年3月:京都大学 農学部 卒業 |
受賞歴 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください |
主な論文・解説 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください |
かつてレオナルド・ダ・ビンチは、『我々は天体の動きを足元の土よりもよく知っている』といいました。あれから500年以上の年月がたった今、我々人類は土のことをどれだけ深く理解できたのでしょうか?
生態系において土が果たす役割は、土地の形成を助けるだけでなく、植物が育ち、酸素や水、養分を供給・保持する役割があります。人類が始めて行った生産活動は、この土壌圏でおきている物質循環の“おこぼれ”を利用するものでしたが、現在、この生産活動は、近代農業という形で発展し、地球全体の物質循環の在り方を変えるまでに発達しました。このような技術発展の結果、“土壌”という一見すると無限にみえる資源は、現在大きな劣化の危機にさらされています(FAO,2015)。これは、“土壌という資源をうまく利用できていない”からに他ならず、残念ながら我々は、まだ土のことをよく知らない、といえるでしょう。
私はこれまでに、土を知り、その特性を利用・保全することを目的に、国内外の様々な農耕地において、①物質循環の可視化と効率化技術の構築、②土壌や農環境の保全・改善技術の構築、に関する現場実証型の研究を行ってきました。例えば熱帯アフリカの畑作地(タンザニア・カメルーン)で、土地利用毎に、土壌中で起きている炭素・窒素・リンの循環を解明し、土壌の化学的性質が異なる場合には、適切な土地利用方策が大きく異なることを定量的に証明し、それらの知見に基づく地域ごとの土地管理方策を提案しました。今後も、国内外のフィールドに足を運び、土を知り、生かし、そして何よりも守るために、自身の研究を発展させたいと考えています。
本学のテニュアトラック事業は、研究以外の授業や運営業務が大幅に軽減されるなど、研究に十分な時間を確保するための工夫がなされており、同年代の研究者たちと比べても、非常に恵まれた研究環境を準備して頂いている、と感じています。また、メンター教員や同じ学科の先生方の温かなサポートもあり、仕事が非常にやりやすい、と感じています。5年間という限られた時間に一定の研究成果を挙げなければならない、という事実は、勿論ストレスではありますが、大きなチャレンジとして、出来るだけ楽しみつつ進めていきたいと考えています。