国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
TEL | 042-367-5944 |
---|---|
FAX | 042-367-5898 |
トップページ > テニュア取得教員の紹介 > 村上 尚
村上 尚 (Murakami Hisashi)
研究院 | 工学研究院 |
---|---|
部門 | 応用化学部門 |
研究分野 | 結晶工学,結晶成長 |
キーワード | エピタキシャル成長,III族窒化物半導体 |
URL | http://murakamilab.jpn.org/ |
職歴 | ・2003年10月~2005年03月:日本学術振興会 特別研究員(DC2) |
---|---|
学歴 | ・東京農工大学 工学部 応用分子化学科 2000年卒業 |
受賞歴 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください |
主な論文・解説 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください |
近年の震災,原発事故を契機として,ますます社会からの省電力,省エネルギーに対する要請が高まってきている.次世代の光電子デバイス実現,さらには低炭素社会構築のためのキーマテリアルの一つである窒化物半導体は,そのバンドギャップがInNの0.65eV(波長1900nm)からGaNの3.4eV(波長365nm),AlNの6.2eV(波長200nm)の幅広い領域をカバーすることから,それらの混晶半導体の作製により,可視光全域を含む深紫外から近赤外域の受光発光デバイスに大変重要な材料といえる.最近では,効率は低いものの282nmの殺菌用として使える領域から210nmの窒化物半導体での最短波長の発光ダイオード(LED)が実証され,また可視光領域では534nmの緑色レーザダイオード(LD)の発振が報告されている.しかし,純緑色から長波長域の窒化物半導体を用いた発光素子に関してはほとんど成功例が無い.原因としては,発光層に用いられるInxGa1-xNはIn組成20%以上の高品質結晶が得られ難いこと,結晶構造の非対称性に起因する内部電場およびピエゾ分極電場の影響による発光効率の低下が挙げられる.そのため,近年では電場の影響の少ない非極性面上へのデバイス構造作製が試みられている.今後,窒化物半導体を用いた未踏波長領域の受光発光デバイス実現には,高品質のIn系窒化物半導体厚膜結晶,非極性GaN結晶が必要不可欠である.本研究では,①高品質厚膜単結晶を目指したハライド気相成長法(HVPE)によるInxGa1-xN成長,②非極性面窒化物半導体結晶成長技術の確立により上記問題解決を図っていく.
テニュアトラック制度は,独立した研究室を運営し,自分自身のオリジナルの研究に専念できる環境が整った非常に若手研究者にとって有効な制度と考えています.その中でも本学のテニュアトラック事業は過去5年間の取り組みに対して非常に高い評価を受けており,私自身もその一員として今後5年間参画させて頂くことを光栄に思っております.