国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
TEL | 042-367-5944 |
---|---|
FAX | 042-367-5898 |
トップページ > テニュア取得教員の紹介 > 田川 義之
田川 義之 (Tagawa Yoshiyuki)
研究院 | 工学研究院 |
---|---|
部門 | 先端機械システム部門 |
研究分野 | 流体力学 |
キーワード | マイクロ流、医療応用、混相流 |
URL | http://web.tuat.ac.jp/~tagawayo/ |
職歴 | ・2008年04月~2009年03月:日本学術振興会特別研究員(DC2) 東京大学工学系研究科 |
---|---|
学歴 | ・東京大学工学部機械工学科 2004年卒業 |
受賞歴 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください |
主な論文・解説 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください |
私はいま、超音速マイクロジェットに関する研究を行っています.
超音速マイクロジェットとは、蚊の口吻よりも小さいサイズの液体が最大速度850m/s(超音速)のジェットとして進むもので、ごく最近発見されました(Tagawa et al., 2012, Phys. Rev. X)。私はこの現象のメカニズムを解明し、新しい医療器機へ応用できないかと考えています。それは針のいらない注射器の開発です。
針を使用した注射器は世界中の医療現場で毎日使われています。しかし、注射針の使用に伴う事故も日常的に起きています。そこでマイクロジェットによって、針を使わずに薬品を直接体内に投与することができれば、現在の問題を解決できると期待されます。マイクロジェットはサイズが小さいため、出血や痛みを大幅に軽減できる可能性があります。
近年マイクロ流れについて,その応用先の豊富さと技術の急激な進歩から多くの研究が盛んに行われています。しかし流体力学的な視点に立つと、そのほとんどが流体の粘性力が支配的な現象です。それに対し超音速マイクロジェットでは、(流体の速度が速いため)慣性力が支配的です。これは、これまでのマイクロ流体に見られない大きな特長であり、衝突等の現象を用いたシステム等において、これまで不可能であったテクノロジーを実現できる可能性をもっています。私は無針注射器開発のための研究を中心に、新しい技術革新を目指しています。
若い研究者を独立したPIとして研究室運営を任せることは、日本では比較的新しい試みであり、これからの大学のあり方を変える可能性をもっています。これから世界中の大学間競争の中で生き残るためにも、このテニュアトラック事業の成否は今後の日本の大学にとって試金石となると思います。私自身この貴重な機会に感謝して、思い切りチャレンジしたいと考えています。農工大のテニュアトラック制度には定評があり、研究室立ち上げの資金や教育・運営負担軽減を十分考慮されており、挑戦する環境が整えられています。適宜メンターの先生よりアドバイスをいただけることは、大きな助けとなります。