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国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課

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本事業は文部科学省科学技術人材育成費補助金の「テニュアトラック普及・定着事業」の補助を受けて実施しています。

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テニュア取得教員の紹介

池上 貴志 (Ikegami Takashi)

研究院 工学研究院
部門 先端機械システム部門
研究分野 エネルギーシステム工学、住宅エネルギー管理
キーワード 分散エネルギー管理、再生可能エネルギー、電力需給制御
URL http://web.tuat.ac.jp/~ikegami/
職歴

・2007年04月~2009年06月:(独)国立環境研究所 地球環境研究センター ポスドクフェロー
・2009年07月~2011年02月:東京大学 生産技術研究所 特任研究員
・2011年02月~2014年01月:東京大学 生産技術研究所 特任助教
・2014年02月~2019年01月:東京農工大学大学院工学研究院 准教授
・2019年02月~現在: 東京農工大学大学院工学研究院 准教授(テニュア取得)

学歴

・2001年3月:東京大学 工学部 化学システム工学科 卒業
・2003年3月:東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻 修士課程 修了
・2007年3月:東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻 博士課程 修了 博士(工学)

受賞歴

※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください
(2019.2現在)
・1996年:第6回日本数学オリンピック成績優秀者
・2002年:Nano and Giga Challenges in Microelectronics Research, Best Poster Award
・2010年:土木学会環境システム論文奨励賞
・2011年:平成22年電気学会全国大会優秀論文発表賞
・2011年:平成22年電気学会電力・エネルギー部門研究会優秀発表賞

主な論文・解説

※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください
(2019.2現在)
・Takanori Enomoto, Takashi Ikegami, Chiyori T. Urabe, Tetsuo Saitou,Kazuhiko Ogimoto, Geographical smoothing effects on wind power output variation in Japan, International Journal of Smart Grid and Clean Energy, 7(3), 188–194, 2018. DOI:10.12720/sgce.7.3.188-194.
・Yu Teshigawara, Takashi Ikegami, Charging load aggregation potential of multiple electric vehicles based on road traffic census data,Electrical Engineering in japan, 203(1),18–27,2018.DOI:10.1002/eej.23051.
・Takashi Ikegami, Chiyori T. Urabe, Tetsuo Saitou, Kazuhiko Ogimoto,Numerical definitions of wind power output fluctuations for power system operations, Renewable Energy, 115, 6–15, 2018. DOI:10.1016/j.renene.2017.08.009.
・Takahide Haneda, Yusuke Ono, Takashi Ikegami, Atsushi Akisawa,Technological Assessment of Residential Fuel Cells Using Hydrogen Supply Systems for Fuel Cell Vehicles, International Journal of Hydrogen Energy, 42(42), 26377–26388, 2017.DOI:10.1016/j.ijhydene.2017.08.152.
・Yusuke Ono, Takahide Haneda, Takashi Ikegami, Atsushi Akisawa,Possibility of Hydrogen Supply by Shared Residential Fuel Cell Systems for Fuel Cell Vehicles, Renewable Energy and Environmental Sustainability, 2, 11, 1–5, 2017. DOI:10.1051/rees/2017012.
・Takashi Ikegami, Hitoshi Yano, Koji Kudo, and Kazuhiko Ogimoto,Effects of smart charging of multiple electric vehicles in reducing power generation fuel cost, Electrical Engineering in Japan, 193(2),42–57, 2015. DOI:10.1002/eej.22614.
・Yumiko Iwafune, Takashi Ikegami, Joao Gari da Silva Fonseca Jr.,Takashi Oozeki, Kazuhiko Ogimoto, Cooperative home energy management using batteries for a photovoltaic system considering the diversity of households, Energy Conversion and Management, 96, 322–329, 2015.DOI:10.1016/j.enconman.2015.02.083.

研究紹介

持続可能なエネルギー供給システムの実現に向けて、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーを既存の電力システムに大規模に組み込むことが期待されています。電気エネルギーは大量に安く蓄えることが難しいため、時々刻々と変化する電力需要量に合わせて発電量を調整する運用が行われています。太陽光発電や風力発電は、季節や時刻による規則的な変動に加えて天候の変化に基づく不規則な変動を有するため、将来は、これまでの需要量の変動だけではなく、このような予測の難しい発電量の変動にも応じた既存発電所等の運用が必要とされています。現状と同程度の安定した電力供給を行いつつ再生可能エネルギー発電の大規模導入を実現するためには、配電系統の電圧上昇問題や電力システム全体における需給バランス制御の困難化など、様々な技術的課題を解決する必要があります。
私の研究では、この再生可能エネルギーが大規模導入された電力システムにおいて、需給バランスの調整力をこれまで以上に確保するため、電力システム側における蓄電池導入や揚水発電増強などの対策だけではなく、住宅・オフィスビル等の需要側建物における電力需要を制御可能とすることにより、調整力確保に貢献する仕組みを目指しています。図に示したような、電力システムからのインセンティブ信号に基づいて機器の運用を行う住宅エネルギー管理システムの制御手法の開発や、これらのシステムを社会に組み込み、効果的に活用するための制度設計およびシステム評価の研究を行っています。

本学のテニュアトラック事業について

テニュアトラック制度では、十分なスタートアップ資金が提供され、大学教員として研究室を運営するノウハウなどを気軽に相談できるメンター教員が割り当てられるなど、独立して研究室をスタートするための様々なサポートが用意されています。また、テニュアトラック教員全員分のテニュアポストが用意されていて、テニュアトラック教員間での競争がないことから、農工の垣根を越えたテニュアトラック教員間での積極的な情報交換や研究連携が行われており、若手教員がお互いに切磋琢磨できる環境は、非常に魅力的な制度だと感じています。

今後の抱負

テニュアトラック制度によって、農工大での新たな研究活動・教育活動を良い形でスタートすることができました。多くのサポートの期待に応えるべく、研究を通して持続可能なエネルギー需給システムの実現に貢献するだけではなく、社会における課題を自ら見つけ理解し、解決できる人材の育成に全力で取り組んでいきたいと思っています。