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国立大学法人東京農工大学
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テニュア取得教員の紹介

宮地 悟代 (Miyaji Godai)

研究院 工学研究院
部門 先端物理工学部門
研究分野 非線形光学、量子光学、レーザー工学
キーワード フェムト秒レーザー加工、ナノ構造生成、表面プラズモン・ポラリトン
URL https://miyalab.themedia.jp/
職歴

・2004年04月~2007年03月:京都大学エネルギー理工学研究所 助手
・2007年04月~2014年02月:京都大学エネルギー理工学研究所 助教
・2014年02月~2019年02月:東京農工大学大学院工学研究院 准教授
・2019年02月~現在: 東京農工大学大学院工学研究院 准教授(テニュア取得)

学歴

・大阪大学基礎工学部電気工学科 1999年卒業
・大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻 博士前期課程 2001年修了
・大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻 博士後期課程 2004年修了 博士(工学)

受賞歴

※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください
(2019.2現在)
・2013年3月:京都大学エネルギー理工学研究所 平成24年度研究奨励賞
・2014年5月:レーザー学会 業績賞(論文賞 オリジナル部門)
・2018年4月:応用物理学会 第65回春季学術講演会Poster Award

主な論文・解説

※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください
(2019.2現在)
・S. Nikaido, T. Natori, R. Saito, and G. Miyaji, "Nanostructure Formation on Diamond-Like Carbon Films Induced with Few-Cycle Laser Pulses at Low Fluence from a Ti:Sapphire Laser Oscillator", Nanomaterials 8, 535 (2018).
・G. Miyaji, M. Hagiya, and K. Miyazaki, "Excitation of surface plasmon polaritons on Si with an intense femtosecond laser pulse", Phys. Rev. B 96, 045122 (2017).
・宮地悟代, "レーザ誘起プラズモニック近接場を用いたナノ加工と計算手法", レーザ加工学会誌 25, 75 (2017). (招待解説記事)
・G. Miyaji and K. Miyazaki, "Fabrication of 50-nm period gratings on GaN in air through plasmonic near-field ablation induced by ultraviolet femtosecond laser pulses", Opt. Express 24, 4648 (2016).
・K. Miyazaki, G. Miyaji, and T. Inoue, "Nanograting formation on metals in air with interfering femtosecond laser pulses", Appl. Phys. Lett. 107, 071103 (2015).
・T. Shinonaga, M. Tsukamoto, and G. Miyaji, "Periodic nanostructures on titanium dioxide film produced using femtosecond laser with wavelengths of 388 nm and 775 nm", Opt. Express 22, 14696 (2014).

研究紹介

フェムト秒(10^(-15)秒, fs)時間領域まで圧縮した高密度光エネルギーを物質に付与し、その特徴的な光応答を新たな応用へと結びつけるための研究を行っています。現在、ナノ物質制御に関する研究に挑んでいます。
金属と誘電体の界面で電磁場と結合した電子の集団振動を表面プラズモン・ポラリトンといいます。高強度の近接場を持つため、近年ではこれを利用したさまざまな応用がなされています。私たちは、半導体や誘電体に高強度fsレーザーによって高密度の電子が発生するのと同時に、表面プラズモン・ポラリトンが励起されることを世界で初めて直接観測し、その近接場によって物質を加工できることを示しました。
高強度のfsレーザーによって励起された表面プラズモン・ポラリトンの近接場を制御すると、nmサイズで均一な構造体を形成できます。構築した物理モデルを基に、次世代のナノデバイス製造において必要な空間分解能を備えた新しい「レーザー」ナノ加工技術の開発を目指します。

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本学のテニュアトラック事業について

PIとして研究室を立ち上げるための十分なスタートアップ資金、教務および学内業務の軽減によって研究に注力できるため、研究環境の準備を短期間で行うことができる非常に良い事業だと考えております。また、テニュアトラック教員との数多くの交流の機会を通じて多くの方々の経験と知識を共有できるので、迷い少なく研究室を立ち上げることができました。このようなすばらしい制度が全国にも展開されれば、大学の研究・教育体制は大きく変わるのではないかと期待しております。

今後の抱負

超短パルスレーザーを用いた物質科学という分野は、レーザー技術の進歩とともに生まれ、これまで発展してきました。まだ若い分野であるため、未解明な物理メカニズムが多いということだけでなく、新たな産業応用への展開が期待されているため、非常に興味深い分野です。私の研究成果によって、次代の先端科学技術のための共通基盤形成に資することができれば本望ですし、常にそうなれるよう目指す所存です。