国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
TEL | 042-367-5944 |
---|---|
FAX | 042-367-5898 |
トップページ > テニュアトラック教員の紹介 > 観山 恵理子
観山 恵理子 (Miyama Eriko)
研究院 | 農学研究院 |
---|---|
部門 | 共生持続社会学部門 |
研究分野 | 農産物流通研究、農業経済学、農業地理学 |
キーワード | 農産物流通、災害復興、青果物卸売市場 |
URL | https://sites.google.com/site/emstudyroom/ |
職歴 | ・2013年4月~2015年3月:東北大学大学院環境科学研究科 産学官連携研究員 |
---|---|
学歴 | ・2007年3月:九州大学21世紀プログラム課程 卒業 |
受賞歴 | ・2012年06月:第5回地理空間学会 ポスター賞 |
主な論文・解説 | ・Eriko Miyama and Shunsuke Managi, "Disaster recovery and agricultural development in Shimabara, Japan,"in Managi, S. (Eds.) The Wealth of Nations and Regions. Routledge, New York, USA, pp.309-330. November 2016. |
農産物の流通システムは、生産と需要の不確実性が高い生鮮食料品の需給を調整する上で重要な役割を担っています。しかし、価格の設定や流通経路等に関する情報がすべて一般に公開されているわけではありません。1990年代以降、日本における農産物流通システムは、どこでも取扱金額が右肩上がりであった拡大期を終え、目まぐるしく変化しています。農産物流通に関連する研究分野では、生産から消費までを掌握する全国規模のスーパーマーケットの拡大を受けて、産地、市場、消費を別々に取り扱ってきた伝統的な研究分野の垣根を越えて、生産から消費までを包括的にとらえるフードシステム研究が広く行われるようになりました。
私は、フードシステムの中でも、農産物流通にかかわる様々な主体の集出荷・販売戦略に着目し、フィールドワークと統計分析を用いて生鮮野菜の価格形成メカニズムを分析してきました。最近は、津波や火山の噴火といった大規模な自然災害をきっかけとして、農産物の流通をめぐる人々のつながりがどのように変容し、地域農業の復興や発展に影響を及ぼしているのかを検討しています。
農産物流通の世界では、天候不順、需要の変動など予測が難しいリスクが工業製品よりも日常的に多く存在します。そうしたリスクをマネジメントし、生産者と消費者の両方にとってよりよい農産物の流通システムの構築に貢献することが私の研究の最終目標です。
近年は、大学や研究機関のポストが削られ、若手向けのポストはほとんどが3年~5年の任期付きとなっており、日本の若手研究者にとっては厳しい雇用環境だと感じます。そのような中で、本学のテニュアトラック制度では、有期雇用期間終了後のポストが用意されているという点は、非常に心強いです。テニュアトラック期間中には、学内業務や授業負担の軽減があり、自身の研究に集中して取り組むことができることも恵まれていると感じます。テニュアトラック事業で雇用されている若手教員の交流会などもあり、異分野の研究者と意見交換等をする機会が設けられていることも、今後、研究の視野を広げる意味で非常に重要だと思います。