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国立大学法人東京農工大学
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本事業は文部科学省科学技術人材育成費補助金の「テニュアトラック普及・定着事業」の補助を受けて実施しています。

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テニュアトラック教員の紹介

観山 恵理子 (Miyama Eriko)

研究院 農学研究院
部門 共生持続社会学部門
研究分野 農産物流通研究、農業経済学、農業地理学
キーワード 農産物流通、災害復興、青果物卸売市場
URL https://sites.google.com/site/emstudyroom/
職歴

・2013年4月~2015年3月:東北大学大学院環境科学研究科 産学官連携研究員  
・2015年4月~2017年3月:東京大学大学院新領域創成科学研究科 国際協力学専攻 助教
・2017年4月~現在:東京農工大学大学院農学研究院共生持続社会学部門 農業市場学研究室 助教

学歴

・2007年3月:九州大学21世紀プログラム課程 卒業
・2010年3月:東京大学公共政策大学院経済政策コース専門職学位課程 経済政策コース 修了
・2013年3月:東京大学大学院総合文化研究科人文地理学教室博士後期課程 修了 博士(学術)

受賞歴

・2012年06月:第5回地理空間学会 ポスター賞
・2015年06月:2015年度日本農業市場学会学会誌賞(湯沢賞)

主な論文・解説

・Eriko Miyama and Shunsuke Managi, "Disaster recovery and agricultural development in Shimabara, Japan,"in Managi, S. (Eds.) The Wealth of Nations and Regions. Routledge, New York, USA, pp.309-330. November 2016.
・Eriko Miyama and Shunsuke Managi, "The Environmental Kuznets Curve in Asia" in Managi, S. (Eds.), The Routledge Handbook of Environmental Economics in Asia. Routledge, New York, USA, pp. 59-84, March 2015.
・観山(中川)恵理子「大規模消費地を背景とした生鮮野菜産地の集出荷機構と卸売市場間価格差の規定要因―冬ハクサイを事例として―」『農業市場研究』第23巻第2号,pp.19-30,2014年9月.
・Eriko Miyama and Shunsuke Managi, "Global environmental emissions estimate: application of multiple imputation," Environmental Economics and Policy Studies, Volume16, Issue2, pp.115-135,April 2014.
・観山恵理子, 楊 珏, 馬奈木俊介「持続可能性評価のためのグローバル・データ分析 : 多重代入法を用いたEKCの推計とGSの算出」『環境科学会誌』第26巻第6号,pp.579-586,2013年12月.
・中川恵理子「生鮮野菜の市場間価格差と産地の集約度に関する一考察―夏カボチャと夏ハクサイの比較―」『農業経済研究別冊 2012年度日本農業経済学会論文集』,pp.106-113, 2012年12月
・中川恵理子「独占的大規模産地による広域流通システムの下における生鮮野菜価格の空間分布とその規定要因―長野県産夏ハクサイを事例として― 」『地理学評論』第85巻第4号,pp.397-409,2012年7月

研究紹介

農産物の流通システムは、生産と需要の不確実性が高い生鮮食料品の需給を調整する上で重要な役割を担っています。しかし、価格の設定や流通経路等に関する情報がすべて一般に公開されているわけではありません。1990年代以降、日本における農産物流通システムは、どこでも取扱金額が右肩上がりであった拡大期を終え、目まぐるしく変化しています。農産物流通に関連する研究分野では、生産から消費までを掌握する全国規模のスーパーマーケットの拡大を受けて、産地、市場、消費を別々に取り扱ってきた伝統的な研究分野の垣根を越えて、生産から消費までを包括的にとらえるフードシステム研究が広く行われるようになりました。
私は、フードシステムの中でも、農産物流通にかかわる様々な主体の集出荷・販売戦略に着目し、フィールドワークと統計分析を用いて生鮮野菜の価格形成メカニズムを分析してきました。最近は、津波や火山の噴火といった大規模な自然災害をきっかけとして、農産物の流通をめぐる人々のつながりがどのように変容し、地域農業の復興や発展に影響を及ぼしているのかを検討しています。
農産物流通の世界では、天候不順、需要の変動など予測が難しいリスクが工業製品よりも日常的に多く存在します。そうしたリスクをマネジメントし、生産者と消費者の両方にとってよりよい農産物の流通システムの構築に貢献することが私の研究の最終目標です。

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本学のテニュアトラック事業について

近年は、大学や研究機関のポストが削られ、若手向けのポストはほとんどが3年~5年の任期付きとなっており、日本の若手研究者にとっては厳しい雇用環境だと感じます。そのような中で、本学のテニュアトラック制度では、有期雇用期間終了後のポストが用意されているという点は、非常に心強いです。テニュアトラック期間中には、学内業務や授業負担の軽減があり、自身の研究に集中して取り組むことができることも恵まれていると感じます。テニュアトラック事業で雇用されている若手教員の交流会などもあり、異分野の研究者と意見交換等をする機会が設けられていることも、今後、研究の視野を広げる意味で非常に重要だと思います。

今後の抱負

5年という限られた時間の中で、コンスタントに研究成果が出せるよう、毎日を大切に過ごしていきたいです。私の専門分野である農産物流通研究は、日々の生活に密接にかかわる内容なので、社会貢献や地域との連携といった視点も取り入れながら研究・教育活動を進めていきたいと考えています。