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国立大学法人東京農工大学
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テニュアトラック教員の紹介

島田 香寿美 (Shimada Kazumi)

研究院 農学研究院
部門 動物生命科学部門
研究分野 実験外科学、獣医外科学、獣医循環器学
キーワード 人工材料、心血管シート、心臓超音波検査、キマーゼ、実験動物
URL
職歴

・2020年4月1日〜2021年6月31日:大阪医科薬科大学 研究支援センター 実験動物部門 助教
・2021年7月1日~現在:東京農工大学 農学研究院 助教

学歴

・2017年3月:東京農工大学 農学部 獣医学科 卒業
・2017年4月:岐阜大学 連合獣医学研究科 博士課程 入学
・2020年3月:同上 卒業

受賞歴

・2015年11月:第53回日本人工臓器学会大会萌芽研究ポスター賞 共同受賞

主な論文・解説

・Shimada K, Higuchi A, Kubo R, Murakami T, Nakazawa Y, Tanaka R. The effect of a silk Fibroin/Polyurethane blend patch on rat Vessels. Organogenesis. 2017 Oct 2;13(4):115-124. doi:10.1080/15476278.2017.1344376. Cited in: Pubmed; PMID 28933641.
・島田香寿美, 松浦功泰, 滝澤穣, 田中綾. 自然発生糖尿病ハムスターに対して酪酸菌培養液が奏功した1例 [Case Report]. 動物臨床医学. 2019 June;28(2):58-62.
・Shimada K, Honda T, Kato K, Hori R, Ujike N, Uemura A, Murakami T, Kitpipatkun P, Nakazawa Y, Tanaka R. Silk fibroin-based vascular repairing sheet with angiogenic-promoting activity of SVVYGLR peptide regenerated the damaged vascular in rats. J Biomater Appl. 2020 Jun 2:885328220928660. doi:10.1177/0885328220928660.
・島田香寿美, 八色暁, 吉田智彦, 合屋征二郎, 馬丹夫, Chantawong P, Kitpipatkun P, 宮﨑謙二郎, 土光泰生, 白石健士郎, 加藤光之介, 竹内亜樹, 小材祐介, 田中綾. 膵仮性嚢胞に対し嚢胞-十二指腸吻合術を実施した猫の1例. 動物臨床医学. 2020 June 2020;29(2):78-83.

研究紹介

 獣医療は、ヒトの医療とともに近年で大きく進歩しました。コンパニオンアニマルを主軸とし、人間が密接に関わる動物たちの健康寿命も年々伸びているように感じます。寿命が延びていく中、ヒトでも動物でもよく出くわすようになるのが「循環器疾患」と「腫瘍性疾患」です。私の研究は特に「循環器疾患」と密接に関わります。
 外科的治療を必要とする循環器疾患において、治療用デバイスが必要な場合があります。現在まであらゆる種類のデバイスが開発されてきましたが、どれも長期間の生体内残存で悪影響を及ぼす可能性がありました。そこで、私の研究では、生体適合性の高い人工材料を用いて、循環器疾患用のデバイスを開発することを目標としています。将来的には、ヒトでも動物でも使用できるようになれば良いと考えています。
 また、外科的治療が適応されない循環器疾患に対しては、心臓超音波装置を用いた、低侵襲な循環機能指標による診断方法に関しても研究しています。
 現在は、内科的な治療として、「キマーゼ」に着目して心不全に対して、より安全で効果的な治療薬の開発にも取り組んでおり、本学付属動物医療センターでの診察と並行し、実験研究と臨床への応用を最速で結べるよう、日々データを収集しています。
 獣医学だけでなく、医療にも応用可能な治療デバイスや診断法、治薬を提唱することを目標とし、あらゆる分野の知識も吸収して、動物と人間の生活の質を向上させたいと考えています。

本学のテニュアトラック事業について

若手研究者にとって、研究が続けられる環境というものは願っても手に入れられないことが多い中で、本学のテニュアトラック事業では、研究を5年に渡り実施することができるうえに、さらに認められれば任期期限なしで続けることが可能であり、非常に魅力的であると考えます。また、同様の条件で研究に取り組む、他分野の研究者とも知り合うことができ、切磋琢磨していくことができると考えます。

今後の抱負

テニュアトラックとして、研究に尽力するのは当然のことながら、教員として求められる、あらゆる技能も積極的に習得していきたいと考えます。獣医系教育をサポートするとともに、附属動物医療センターでの診察業務では、獣医外科学を中心に獣医師としての責務も果たせるよう、尽力していくつもりです。