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国立大学法人東京農工大学
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本事業は文部科学省科学技術人材育成費補助金の「テニュアトラック普及・定着事業」の補助を受けて実施しています。

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テニュアトラック教員の紹介

平原 俊 (HIRAHARA Suguru)

研究院 農学研究院
部門 自然環境保全学部門
研究分野 森林政策学
キーワード 自然資源管理、ガバナンス、公園
URL
職歴

・2013年4月~2020年3月:東京都 職員
・2020年4月~2022年3月:東京農業大学 生物産業学部 自然資源経営学科 助教
・2022年4月~現在:東京農工大学 大学院農学研究院 助教

学歴

・2007年4月~2011年3月:東京農工大学 農学部 地域生態システム学科
・2011年4月~2013年3月:東京農工大学 大学院農学府 自然環境保全学専攻
・2014年4月~2018年9月:東京農工大学 大学院連合農学研究科 環境資源共生科学専攻

受賞歴

・2015年3月:林業経済学会学生論文賞
・2018年3月:林業経済学会学生論文賞

主な論文・解説

・Hirahara, S. (2021) Evaluation of a Structure Providing Cultural Ecosystem Services in Forest Recreation: Quantitative Text Analysis of Essays by Participants. Forests 12(11), 1–15
・平原 俊「国有林管理における市民参加の現状と課題:赤谷プロジェクトを事例として」『林業経済研究』Vol.67(2),2021年,31~46頁
・Hirahara, S. (2020) Regeneration of Underused Natural Resources by Collaboration Between Urban and Rural Residents: A Case Study in Fujiwara District, Japan. International Journal of the Commons 14(1), 173–190
・平原 俊,土屋俊幸「自然資源管理において制度化がもたらす市民活動への影響:鎌倉広町緑地の指定管理者選定過程を事例として」『林業経済研究』Vol.63(3),2017年,53~64頁
・平原 俊,土屋俊幸「都市林保全運動における市民のかかわりの変遷:鎌倉広町緑地を事例として」『林業経済研究』Vol.60(3),2014年,1~12頁

研究紹介

 森林やその他の自然環境は多面的な機能を有しています。例えば、森林は私たちに木材を供給してくれるだけでなく、生物多様性の保全やレクリエーションの場の創出などの機能を発揮しています。しかし、これらの諸機能に関心を持つ主体はさまざまであり、ときに利害が衝突することもあります。さらに、林野庁が所管する国有林とそれ以外の主体が所有する民有林にまたがるようにして保護地域(例.環境省所管の国立公園)が指定されているケースもあるので、土地所有者・管理者も考慮すると状況はますます複雑になります。
 つまり、持続的に自然資源管理を行っていくためには、自然そのものだけでなく、そこにかかわる人間社会についても理解を深めていかなければならないということになります。国や地方公共団体だけでなく、地域住民・市民、民間事業者等などの多様な主体も参加しながら自然資源管理の方針を決め、それを実践していく社会システムのことをガバナンスと呼びます。持続的に自然資源を利用・保全するために必要なガバナンスのあり方について検討し、政策科学的な視点から社会的課題の解消に貢献することを目指して研究をしています。
 具体的なテーマとしては、NPOやボランティアによる自然資源管理について、聞き取り調査や参与観察調査といった社会科学の手法を通じて実態把握を進めてきました。今後は、造園技術者としての実務経験も活かしながら、自然公園・都市公園という森林レクリエーション空間に着目した研究を展開していきたいと考えています。

本学のテニュアトラック事業について

任期中に一定以上の研究成果をあげなければならないことにプレッシャーもありますが、研究者としてのキャリア初期にまとまった研究時間と資金的援助を得られることに恩恵も感じています。この環境をうまく活かすことができるよう計画的に研究を進めていきたいと思います。

今後の抱負

テニュアトラック教員として自身の研究成果をあげることは当然ですが、農工大の卒業生として、後輩たちが研究生活を通して良い経験を得られるようにうまく手助けしていきたいと思っています。それとともに、研究成果を社会に還元していくことも強く意識していきたいと考えています。