国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
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職歴 | ・2013年4月~2020年3月:東京都 職員 |
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学歴 | ・2007年4月~2011年3月:東京農工大学 農学部 地域生態システム学科 |
受賞歴 | ・2015年3月:林業経済学会学生論文賞 |
主な論文・解説 | ・Hirahara, S. (2021) Evaluation of a Structure Providing Cultural Ecosystem Services in Forest Recreation: Quantitative Text Analysis of Essays by Participants. Forests 12(11), 1–15 |
森林やその他の自然環境は多面的な機能を有しています。例えば、森林は私たちに木材を供給してくれるだけでなく、生物多様性の保全やレクリエーションの場の創出などの機能を発揮しています。しかし、これらの諸機能に関心を持つ主体はさまざまであり、ときに利害が衝突することもあります。さらに、林野庁が所管する国有林とそれ以外の主体が所有する民有林にまたがるようにして保護地域(例.環境省所管の国立公園)が指定されているケースもあるので、土地所有者・管理者も考慮すると状況はますます複雑になります。
つまり、持続的に自然資源管理を行っていくためには、自然そのものだけでなく、そこにかかわる人間社会についても理解を深めていかなければならないということになります。国や地方公共団体だけでなく、地域住民・市民、民間事業者等などの多様な主体も参加しながら自然資源管理の方針を決め、それを実践していく社会システムのことをガバナンスと呼びます。持続的に自然資源を利用・保全するために必要なガバナンスのあり方について検討し、政策科学的な視点から社会的課題の解消に貢献することを目指して研究をしています。
具体的なテーマとしては、NPOやボランティアによる自然資源管理について、聞き取り調査や参与観察調査といった社会科学の手法を通じて実態把握を進めてきました。今後は、造園技術者としての実務経験も活かしながら、自然公園・都市公園という森林レクリエーション空間に着目した研究を展開していきたいと考えています。
任期中に一定以上の研究成果をあげなければならないことにプレッシャーもありますが、研究者としてのキャリア初期にまとまった研究時間と資金的援助を得られることに恩恵も感じています。この環境をうまく活かすことができるよう計画的に研究を進めていきたいと思います。
テニュアトラック教員として自身の研究成果をあげることは当然ですが、農工大の卒業生として、後輩たちが研究生活を通して良い経験を得られるようにうまく手助けしていきたいと思っています。それとともに、研究成果を社会に還元していくことも強く意識していきたいと考えています。