国立大学法人東京農工大学
研究推進部 研究支援課
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吉野 大輔 (Yoshino Daisuke)
研究院 | 工学研究院 |
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部門 | 先端物理工学部門 |
研究分野 | メカノバイオロジー、設計工学 |
キーワード | 血管恒常性、循環器系疾患、医療機器設計、細胞バイオメカニクス |
URL | https://sites.google.com/go.tuat.ac.jp/dyoshino-research-group/home |
職歴 | ・2011年04月〜2011年06月:富士フイルム株式会社 社員 |
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学歴 | ・東北大学 工学部 機械知能工学科 2006年卒業 |
受賞歴 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください ・日本機会学会三浦賞(2006年) |
主な論文・解説 | ※最新情報は教員のWebサイトをご覧ください ・D. Yoshino and M. Sato, "Early-stage dynamics in vascular endothelial cells exposed to hydrostatic pressure", Journal of Biomechanical Engineering, 141, 091006 (2019). |
世界に先駆けて超高齢社会に突入した我が国おける最重要課題は、高齢者の高いQuality of Life(QOL)と活発な社会活動を維持することである。近年発症率が深刻化する動脈硬化性の血管狭窄に代表される心疾患と脳血管疾患は、癌に並ぶ国民病の一つとなっており、高齢者のQOL・社会活動の維持を困難にしている。狭窄した血管を拡張するためにはステントが用いられており、その多くは再狭窄と血栓症の予防のため免疫抑制剤や生体分子の修飾がなされている。しかし、明確な設計理論に乏しい試行錯誤的な従来のステントの開発により、再狭窄や血栓症などの問題が多数報告されている。これは、ステントと血管の力学特性(剛性)との不整合の問題が未解決であることに起因する。すなわち、遅発性の再狭窄や血栓症の発症リスクを高める原因となる、ステントが血管壁に及ぼす過度な力学刺激による血管炎症反応を抑制することが重要である。
本研究では、ステントが血管壁に及ぼす力学刺激に着目し、細胞生物学と機械工学を融合したメカノバイオロジーの観点から再狭窄の発症と血管内膜新生の機構を解明する。得られた知見を設計にフィードバックすることで、高い再狭窄抑制効果と内膜新生促進効果を有する次世代型ステントを開発する。この設計開発の一連の流れを独自のメカノバイオデザイン理論として確立し、循環器系疾患治療の技術革新を目指す。
独立した研究環境やスタートアップのための資金などが与えられ、研究者・教育者としての成長を促す非常に良い制度だと思います。また、学内の教職員のテニュアトラック制度への理解が浸透しており、様々なサポートを得られる点も魅力的だと思います。
医療機器開発の基礎から応用までを繋ぐ研究の中で、これまでにない面白いものを見つけたり、カタチにすることに挑戦していきたいです。